大阪「正論」懇話会にお誘いいただき、元産経新聞記者の阿部雅美氏の拉致問題についての講演を拝聴させていただいた。
北朝鮮が国家規模によって行った暴虐極まりなきこの大罪を、我々は絶対に許してはならない。
私が幼い頃から、もうかれこれ数十年も前となるが、当時既に、父親から北朝鮮による日本人拉致について教えられ、「1人で絶対に海岸に行ってはならない」とキツく注意されたものだった。
だから、小さい頃から、私にとって、北朝鮮による日本人拉致は真実であった。
しかし、日本人でも、知っている人はいたが、大半は全く認識していなかったようだ。
成人し、拉致問題について話題にする事があった。
非常に衝撃的であったのは、それ相応な社会的に一人前だという御仁をして「未だにそんなおとぎ話を信じているバカがいるんだな」と言わしめた事。
内心、「日本人の大半はこんな認識なのか」と絶望した。
その数年後、小泉内閣によって、拉致被害者の方々が日本に帰還された。
為政者やメディアの責任がよく問われるが、それよりも、同じ同胞であるはずの日本人の多くが、メディアによる虚偽を見抜こうとせず、拉致問題から目を背け続けた事ほど、被害者やその御家族にとって残酷な仕打ちは無かったであろう。
御家族の高齢化も深刻となっている。
唱歌「桜井の訣別」は「ゆけよ正行故郷へ 老いたる母の待ちまさん」と謳う。
老いたる母となる前に、必ず、取り戻さなければならない。
我が命よりも大切な我が子を突如として奪われた母の悲しみが、心身を斬り裂く以上のものである事を、私自身、知っている。
この非道を決して許してはならない。
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